プレミアリーグのチケットはどう取る?日本から現地観戦する人向け【応用編】

前回の記事では、プレミアリーグ各クラブのホームゲームについて、チケット販売の基本的な仕組みを解説しました。今回は応用編として、「日本から観戦に行く場合、どの購入方法を選ぶべきか?」という視点で考えていきます。

日本からの旅行者は現地ファンとは事情が異なります。航空券やホテルを数か月前から予約する必要があり、抽選に外れたから別の試合へ切り替える、といった柔軟な対応も簡単ではありません。英国へ頻繁に行ける人も多くないでしょう。

そのため、単純な「最安値」よりも、旅行全体を失敗しないための確実性が重要です。一方で、対戦カードによっては通常チケットを十分狙える場合もあります。

チケットの取得難易度はクラブと試合によって大きく異なります。本記事では、日本からの旅行者に向いた購入方法を難易度別に整理します(基礎編はこちら)。

具体的には、①Big 6以外同士、②Big 6 vs 非Big 6、③Big 6同士のビッグマッチ、の3段階に分けて考えます。

※Big 6とは、アーセナル、チェルシー、リヴァプール、トッテナム・ホットスパー(以下スパーズ)、マンチェスター・ユナイテッド(以下マンU)、マンチェスター・シティ(以下マンC)の6クラブを指します。

目次

  1. まず狙いたい:Big 6以外同士の試合
  2. 人気クラブを見たい:Big 6 vs 非Big 6
  3. 最難関:Big 6同士のビッグマッチ
  4. 通常ルート以外の購入方法
  5. 今回の記事まとめ

1. まず狙いたい:Big 6以外同士の試合

まず「プレミアリーグを現地で見て、スタジアムの空気を味わいたい」という旅行者にとって、最初に狙いやすいのがBig 6以外同士のカードです。

Big 6ほど需要が高くないことに加え、次のような理由があります。

  • 抽選(Ballot)を採用せず、メンバー向け先行販売を中心とするクラブが多い。
  • Ticket Exchange / Resale(クラブ公式の再販売制度)や一般販売(General Sale)までチケットが残る可能性が比較的高く、一般販売ならメンバーシップ不要の場合もある。

もちろん例外もあります。ニューカッスルやリーズはホームゲームで抽選を採用し、ブレントフォードのように購入実績による優先制度を設けるクラブもあります。取得しやすさを示す例として、ノッティンガム・フォレスト公式は2025/26シーズン、国外向けメンバーシップ会員の99%がホームゲームのチケットを取得でき、1試合平均1,000席以上がTicket Exchangeに出品されたと公表しています。比較的狙いやすいカテゴリーですが、制度と需要はクラブ・試合ごとに確認してください。

ここでは、日本からの旅行者にも候補にしやすいロンドン近郊のクラブとして、ブライトンとクリスタル・パレスを例に見ていきます。

ブライトン:

対非Big 6戦であれば、ブライトンの公式メンバーシップ「MyAlbion+」に加入して先行販売を狙うのが基本です。2026/27シーズンの成人料金は年額£42で、国内向け・国外向けでチケットアクセスに大きな差はありません。残席があれば一般販売も行われ、記事作成中の2026年8月30日時点では9月5日のリーズ戦が数百席規模で販売されていました。費用を抑えたい、または「取れれば行きたい」という場合は一般販売まで待つ選択肢もあります。

なお、メンバーシップ購入後14日間が経過していないとチケットを購入できないという条件が設定されているため、観戦予定が決まっている場合は早めの加入が安全です。

クリスタルパレス:

クリスタル・パレスは国外在住者向けのInternational Membership(海外サポーター向けメンバーシップ)を用意しています。2026/27シーズンは年額£35からで、希望するホームゲーム1試合について「Exclusive Ticket Reservation(優先予約枠)」を利用し、通常メンバーより前に購入を申し込めます。ただしチケット自体がメンバーシップ料金に含まれるわけではなく、対象試合も残席状況によります。公式ページでは予約枠がすでに売り切れている試合も案内されています。Ticket Resaleも利用できます。日本から1試合だけ観戦する旅行者には使いやすい選択肢です。

非Big 6同士なら、まず販売スケジュールを確認し、確実性を重視するならメンバーシップ先行販売を狙う。費用を抑えたい場合は一般販売まで待つ、という考え方が基本です。ただし、日本から航空券やホテルを先に押さえるなら、数十ポンドのメンバーシップ代を節約するより、早めにチケットを確保する方が旅行計画としては安全でしょう。

2. 人気クラブを見たい:Big 6 vs 非Big 6

次はBig 6と非Big 6の対戦です。このカテゴリーでは販売方式によっておすすめが大きく変わります。抽選型なら、確実性を求める旅行者にはホスピタリティ。先着・ハイブリッド型なら、まずメンバーシップに加入して通常販売を狙うのが基本です。

まずBig 6のチケット取得難易度を表にまとめます。特に重要なのは抽選の有無です。

クラブ抽選の有無ポイント・実績条件旅行者から見た取得難易度
アーセナル
チェルシー
リヴァプール非常に高
マンチェスター・シティ一部試合で過去購入実績あり
マンチェスター・ユナイテッド一部有低 – 中
トッテナム・ホットスパー通常ホーム券への影響は限定的低 – 中

 *難易度は非Big 6との対戦でも開幕戦、最終戦、優勝争いに関わる一戦など、チケット需要に応じて変わる可能性があります。

(1)抽選型:アーセナル、チェルシー、リヴァプール

この3クラブは、メンバーシップに入ってもチケットが確保できるとは限りません。「この試合を必ず見たい」なら、最初からクラブ公式または認定業者のホスピタリティを検討するのが現実的です。

アーセナル:

一般旅行者が加入するのは基本的にRedメンバーシップです。上位のSilverメンバーシップには抽選で別枠がありますが、新規で直接加入することはできません。

アーセナル公式が公表した2026/27シーズン序盤のRed会員向け抽選当選率は11〜12%程度です。抽選は原則1試合ごとで、Red会員向けは試合の約4〜6週間前に実施されます。航空券やホテルを数か月前から手配したい旅行者にとって、当落が直前まで確定しないのは大きな弱点です。

リヴァプール:

リヴァプールは7月と11月の年2回、シーズン前半・後半のホームゲームをまとめて抽選します。2025/26シーズンの公式データでは、Home Credits(前シーズンのホームゲーム観戦実績)不要で全会員が応募できた12試合について、1試合平均108,773人が申し込み、当選確率はわずか4%でした。さらに、アーセナル、チェルシー、マンC、マンU、スパーズ、エヴァートンとの試合とシーズン最終ホーム戦の計7試合は、前シーズンに4試合以上のHome Creditsを持つ会員しか応募できません。日本からの旅行者がこの条件を満たすのは容易ではなく、メンバーシップに加入しても選択肢はかなり限られます。実際、筆者も2026/27シーズン前半戦で応募可能だった5試合すべてに申し込みましたが、全滅しました。

チェルシー:

チェルシーは2026/27シーズンから、会員が申込期間(Application Window)に申し込み、その後チケットを割り当てる方式へ移行しました。新制度のため十分な当選率データはありませんが、本拠地スタンフォード・ブリッジはBig 6のホームスタジアムの中では収容人数が約40,000人と小さく、高い競争率が予想されます。今季最初のブライトン戦では試合の約1か月前に申込期間が設定されており、早くから旅程を確定したい旅行者には不確実性が残ります。

この抽選型グループに関しては、「このクラブを絶対に見たい」ならホスピタリティ、「英国旅行のついでに取れれば行きたい」ならメンバーシップで抽選に挑戦する、という使い分けが合理的です。

抽選に外れた場合は、直前までTicket Exchange / Resaleを確認する方法もあります。

(2)先着・ハイブリッド型:マンC、スパーズ、マンU

このグループでは、対非Big 6戦ならメンバーシップに加入し、販売開始後なるべく早く購入するのが費用対効果の高い方法です。ただし、マンUは一部の高需要戦で抽選を実施し、マンCも特定試合で過去の購入実績を条件とします。

マンチェスター・シティ:

マンCはBig 6の中でも旅行計画を立てやすいクラブの一つです。2026/27シーズンは多くのホームゲームをシーズン前から販売しており、記事作成時点でもチェルシー戦やスパーズ戦を含む複数試合で購入可能な座席が確認できました。一部の人気カードを除けば、1メンバーシップで最大4枚まで購入できる試合もあります。

マンチェスター・ユナイテッド:

マンUもシーズンを通してホームゲームのチケットを販売します。各試合のチケット購入可否は会員ログイン後でないと確認できなかったため、現在の残席状況は把握できませんでしたが、通常ホーム戦はメンバー向け販売があり、一部の高需要戦を除けば抽選ではありません。抽選型3クラブと比べると、旅程は立てやすいと言えるでしょう。

トッテナム・ホットスパー:

スパーズもメンバー向け先着販売が基本ですが、全試合を一括販売せず、2〜3試合ずつ複数の販売期間に分けます。メンバーシップは上位の「One Hotspur+」と「One Hotspur」の2種類があり、One Hotspur+には24時間の先行販売があります。特定試合を狙うならこの24時間差は有利です。筆者はOne Hotspur会員ですが、2026年9月19日のアストン・ヴィラ戦のチケットを販売初日に購入を試みたところ、その時点では残席に余裕があり問題なく確保することができました。

このカテゴリーの要点は以下の通りです。

  • Big 6 vs 非Big 6の難易度は、まず抽選の有無で大きく変わる。
  • 抽選型のアーセナル、リヴァプール、チェルシーは、対非Big 6戦でも通常メンバーシップでは難易度が高い。
  • マンC、マンU、スパーズは通常戦なら比較的狙いやすく、「とにかくBig 6を見たい」旅行者には候補にしやすい。
  • 確実性重視なら抽選型はホスピタリティ、先着型はメンバーシップ加入が基本。

 3. 最難関:Big 6同士のビッグマッチ

Big 6同士になると、単純に需要が高いだけでなく、過去の観戦実績やポイントなどが申込条件になるクラブがあります

クラブ追加条件概要
アーセナルBig 6戦でも通常と同じメンバー向け抽選を実施。最低ポイント条件はなし。
チェルシー一部の高需要戦では、申込期間への参加に最低ロイヤルティポイント(Loyalty Points:観戦実績などで付与されるポイント)が必要。必要数は試合ごとに設定。
リヴァプールBig 6、エヴァートン、シーズン最終ホーム戦などは、前シーズン4 Home Credits以上が抽選申込条件。
マンチェスター・シティ有(観戦実績制)2026/27はマンU、アーセナル、リヴァプール、リーズ戦で、過去2シーズンにエティハドでプレミアリーグ3試合以上を購入した実績が必要。抽選ではなく先着販売
マンチェスター・ユナイテッドポイント条件は基本なし。ただしスパーズを除くBig 6との高需要ホーム戦は抽選で販売。
トッテナム・ホットスパー無※Big 6戦も通常のメンバー向け先着販売。Ticketing Points(チケット購入・観戦等で蓄積されるポイント)は主にアウェイ戦などで使われ、通常ホーム券への影響は限定的。

表の通り、Big 6戦ではクラブによって抽選や過去実績条件が加わります。スパーズは通常販売の仕組み自体は変わりませんが、需要が高いため非Big 6戦と同じ難易度とは限りません。

特にリヴァプールとマンCでは過去実績が申込・購入条件になる試合があり、チェルシーも試合によって最低ロイヤルティポイントが設定されるため、新規会員は不利になります。

したがって、Big 6同士を確実に見たい旅行者は、まずクラブ公式または認定業者のホスピタリティを検討するのが無難です。

ただし条件は対戦相手によって異なります。たとえばマンUホームのスパーズ戦や、マンCホームのチェルシー、スパーズ戦など、Big 6同士でも抽選や過去実績条件が課されないケースがあります。

4. 通常ルート以外の購入方法

ここまでの公式ルート以外にも、補助的な入手方法があります。

(1) 公式サポーターズクラブ(Official Supporters Club)経由

一部クラブでは、各国・地域の公式サポーターズクラブにチケット割当があります。通常のメンバー販売とは別の購入機会を得られる可能性がありますが、割当数には限りがあり、支部内で抽選や会員歴などの優先条件が設けられる場合もあります。加入すればチケットが保証される仕組みではありません。

(2) 非認可チケット販売サイトの利用

非認可サイトはメンバーシップの購入履歴や抽選条件なしで買えるように見えますが、無認可業者によるフットボールチケットの転売は英国法やクラブ規約に抵触する可能性があり、チケットが無効になる、届かないといったトラブルもあります。プレミアリーグも利用リスクを警告しているため、特別な事情がなければクラブ公式、認定販売業者、公式ホスピタリティなどの正規ルートを優先するのが安全です。

(3) 非Big 6のホームゲームでBig 6との対戦を見る

アーセナル、リヴァプール、チェルシーなどを見たい場合、対戦相手となる非Big 6クラブのメンバーシップに入り、そのクラブのホームゲームとして購入する方法もあります。Big 6側の抽選を避けられる可能性がありますが、非Big 6側でも需要が高く、過去購入歴や販売優先条件が設定されたり、発売直後に売り切れたりする場合があります。それでも通常価格かつ公式ルートでBig 6を見られる可能性がある点は魅力です。ただし席はホーム(非Big 6のチーム)側です。アウェイチームのユニフォーム着用や露骨な応援が禁止される場合もあるため、必ずクラブ規約を確認してください。

5. 今回の記事まとめ

日本からプレミアリーグを観戦する場合、重要なのは「最安値」だけでなく、旅行計画に必要な確実性まで含めて購入方法を選ぶことです。

観戦カードごとの基本戦略を表にまとめます。

観戦カード基本戦略
非Big 6同士メンバーシップ先行を基本に、一般販売やTicket Exchange / Resaleも検討。
先着・ハイブリッド型Big 6 vs 非Big 6メンバーシップに入り販売開始を狙う。
抽選型Big 6 vs 非Big 6確実性重視ならホスピタリティ。
Big 6同士通常メンバーシップは難易度が高く、ホスピタリティを第一候補に検討。

制度はクラブやシーズンによって変わるため、購入時は必ず各クラブの最新公式情報を確認してください。今後は、特にBig 6を中心に、クラブごとのチケット制度やホスピタリティの内容も個別記事で詳しく紹介していきます。