チェルシーFCの本拠地を歩く|スタンフォード・ブリッジ周辺とクラブの歴史【西ロンドン街歩き・前編】

今回紹介するのは、西ロンドンに位置するチェルシー、フラム地区です。このエリアには、地区名をチーム名に冠するチェルシーFCとフラムFCの2クラブがあります。今回は、チェルシーの本拠地スタンフォード・ブリッジの最寄り駅であるFulham Broadway駅を起点に、スタンフォード・ブリッジを経て、フラムの本拠地クレイヴン・コテージへ向かいながら街並みを歩いてきました。訪問したのは2026年8月23日。ロンドンでは夏の終わり頃にあたり、晴天で気温も20〜25度ほどと、街歩きには快適な一日でした。また、2026/27シーズン序盤で、翌日には両クラブによるウェストロンドン・ダービーが予定されていました。

目次

  1. ChelseaとFulhamはどんなエリアか
  2. Fulham Broadwayから歩き始める
  3. Butcher’s Hook
  4. Brompton Cemetery
  5. スタンフォード・ブリッジ周辺
  6. まとめ

1. ChelseaとFulhamはどんなエリアか

ChelseaとFulhamは、ウェストロンドンのテムズ川北岸に位置し、バッキンガム宮殿などがあるロンドン中心部のすぐ西側に広がる地区です。行政区分では、ChelseaはRoyal Borough of Kensington and Chelsea、FulhamはLondon Borough of Hammersmith and Fulhamに属します。Royal Borough、London Boroughはいずれもグレーター・ロンドンを構成する32の行政区で、日本でいえば東京都23区に近いイメージです。

Chelseaはロンドンでは高級住宅地として有名で、Fulhamも比較的裕福な住宅街が広がっており、街並みも他の地区と比べて洗練された印象があります。ただし、両地区の歴史は少し異なります。Chelseaは中世以降、富裕層の居住地として人気を集めた一方、Fulhamは18〜19世紀頃まで農村的な性格が強く、野菜や果物などをロンドン中心部へ供給していた地域でした。

なお、チェルシーFCの本拠地であるスタンフォード・ブリッジは、実は住所上はChelseaではなくFulham地区に属しています。

2. Fulham Broadwayから歩き始める

今回はFulham Broadway駅から街歩きを開始しました。この日はChelsea、Fulham地区を通る地下鉄のDistrict Lineが運休していたため、駅まではバスを利用しました。

Fulham Broadway駅には小規模なショッピングモールが併設されており、駅を出ると住宅地や小さな商店、飲食店などが並んでいます。到着したのは朝8時頃だったため、人通りはまだまばらでした。駅前のFulham Roadには、「CFC LDN」の文字とチェルシーFCのロゴが入った旗を掲げた街灯が並んでおり、早くもクラブと街の結び付きの強さを感じられます。

Fulham Broadway駅
Fulham Broadway駅の外観
街灯に掛けられたクラブの旗
街灯に掛けられたチェルシーFCの旗

スタンフォード・ブリッジは駅出口から左手、方角では東側に位置しています。駅を出て少し歩けば、チェルシーのロゴが入ったゲートが見えてくるほどの近さです。約3分歩くと、一つ目の入口である「Britannia Gate」に到着しました。プレミアリーグには住宅街の中にスタジアムを構えるクラブも少なくありませんが、スタンフォード・ブリッジもその一つ。駅から歩いていると、街並みの中に突然スタジアムが姿を現します。

Britannia Gate
Britannia Gate

3. Butcher’s Hook

Britannia Gateを通り過ぎ、さらに東へ3〜4分ほど歩くと、「Stamford Gate」という別のゲートが見えてきます。その道路を挟んだ向かい側にあるのが、Butcher’s Hookというパブです。ここはチェルシーFCが1905年3月10日に創設された場所で、当時は「The Rising Sun」という名前でした。現在の入口にも、クラブ創設の地であることを示す文言が掲げられています。訪問時は営業時間外だったため店内までは確認できませんでしたが、チェルシーファンがロンドンを訪れるなら、スタジアムとあわせて立ち寄る価値のある場所だと思います。

Butcher's Hook
Butcher’s Hook外観

4. Brompton Cemetery

Stamford Gate、Butcher’s HookからFulham Road沿いをさらに北東へ5分ほど歩くと、Brompton Cemeteryという墓地が見えてきます。ここにはチェルシーFC創設に深く関わったHenry Augustus Mears氏(一般には“Gus” Mearsとして知られます)の墓があり、Brompton Cemeteryを管理するThe Royal Parksの公式サイトでも紹介されています。

墓地の中からスタンフォード・ブリッジを望むことができ、スタジアムと墓地が隣接する光景には少し不思議な感覚がありますが、Mears氏が眠る場所として考えると、どこか象徴的にも感じられました。墓地そのものを観光目的で訪れるかは好みが分かれるところですが、チェルシーファンにとってクラブの歴史を感じられる場所の一つではあります。もちろん墓地であることへの配慮は必要ですが、訪問時には犬の散歩をする人や自転車で通る人も見られ、地域の日常の中に溶け込んでいる印象でした。

Brompton Cemetery入り口
Brompton Cemetery入り口
Brompton Cemetery内部
墓地の木々の後ろに見えるスタンフォード・ブリッジ

5. スタンフォード・ブリッジ周辺

Brompton Cemeteryから先ほどのStamford Gateへ戻り、スタジアムの敷地内に入ります。訪問時は非試合日でしたが敷地内には入ることができ、朝9〜10時頃の時点ですでに多くの観光客が訪れていました。Stamford Gateの正面にはStamford Bridge Hotelがあり、そのほかにもレストランやパブなどが併設されています。

Stamford Bridge Hotel
Stamford Bridge Hotel外観

非試合日にスタジアム周辺を訪れる場合、今回確認できた範囲での主な見どころは次の3つです。

Chelsea FC Museum:
Fulham Road側の2つの入口ゲートから見て、スタジアムの裏手側に位置しています。今回は中には入りませんでしたが、ここにはスタジアムツアーの受付もあります。

Legend Wall (The Shed Wall):
Legend Wall (The Shed Wall)はFulham Road側にあるBritannia GateとStamford Gateの間をつなぐように伸びる通路で、歴代の名選手たちの写真や人物紹介が並んでいます。かつて長くクラブの歴代最多得点記録を保持していたボビー・タンブリング氏から、2000〜2010年代前半の黄金期を支えたフランク・ランパード氏まで、さまざまな時代の選手が紹介されていました。

Chelsea FC Megastore:
クラブ公式のグッズショップは、Britannia Gate側から見て右手にあります。今回は営業時間前だったため中には入りませんでしたが、観光で訪れたチェルシーファンが記念にグッズを購入するには定番の立ち寄り先でしょう。

Meseum入り口
Museum入り口
Legend Wall
Legend Wall入り口
メガストア
メガストア入り口

6. まとめ

今回スタンフォード・ブリッジとその周辺を巡ってみて、コアなフットボールファン、特にチェルシーファンが楽しめるスポットが数多くあるという印象を受けました。

本記事で紹介したスタジアム内の施設やクラブ創設の地、創設の中心人物が眠る墓地以外にも、チェルシーのロゴや旗が窓辺に飾られたパブなどがあり、街を歩いているだけでもクラブと地域の結び付きの強さを感じられます。

Fulham Broadway駅はVictoria駅などロンドン中心部へのアクセスも良く、チェルシーファンであれば周辺に滞在し、ロンドン観光とあわせてクラブの歴史や文化を体感するのも一つの楽しみ方だと思います。

スタジアム敷地内のより詳しい紹介や写真については、別記事で改めて掲載する予定です。

次回は本記事の後編として、スタンフォード・ブリッジからフラムの本拠地クレイヴン・コテージまで歩きながら、フラム地区の街並みやスタジアム周辺の様子を紹介します。

最終現地確認:2026年8月23日

[関連リンク]
フラムFCの本拠地を歩く|クレイヴン・コテージ周辺とテムズ川沿いの街並み【西ロンドン街歩き・後編】